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読書記録

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タネと内臓はどんなつながりがあるの?
そう思う人は多いに違いない。

世界中の国々が今、農薬漬けの農業を見直して、種子を守り
遺伝子組み換えの作物や加工食品を問い直そうとしている。

そんな中、日本は主要農作物の種子法を廃止し、農薬の食品への残留基準値を
規制緩和しようとしている。それを大手メディアが報道しない……

そんなぞっとするような話のオンパレードに胸がざわつく。

遺伝子組み換えの種子は、農薬(グリホサート)とセットになっている。
種子法が廃止され、独占企業による遺伝子組み換えの種ばかりになった世界を
想像してほしい。多様性が失われ、同じものばかりが並ぶ食品店を。
しかもその食品は、形こそきれいだけれど、中身はスカスカのミネラルもビタミンも乏しいものばかり。

種に含まれる農薬グリホサート(抗生物質)は、いやおうなく体に取り込まれて、
発がん性があるばかりでなく、
体の中にいる悪玉菌だけでなく、善玉の腸内細菌もすべて殺してしまう。

腸内細菌の働きが弱くなると
肥満、アトピー、花粉症、アレルギー、学習障害、自閉症、うつ病など
が引き起こされることがわかっている。
今社会問題になっているこれらの病が、
なにげなく食べている食の蓄積によるものだとしたら?

いちばん大事な食の問題が
自分の力ではどうしようもない、という事態になる前に
この流れを食い止めなくてはならない。

農作物と土壌。 食べ物と腸。

この二組は同じ関係で成り立っている。
土壌にも腸にも、微生物たちがいて働いてこそ
健全な状態だと言える。
農薬で、抗生物質で、すべてを死滅させ、新たに化学肥料、サプリメントを注入する。
このばかばかしい二重構造は、すべて、「儲け=欲」の結果であり
ひとの健康を考えたものではない。

資本(儲け)中心の社会の流れを変えるのは、並大抵なことではないけれど、
だれかが、少しずつでも意識を変えれば、
その波は広がっていくはず。
腸内細菌が増えれば、消化吸収が良くなり、少ない食べ物でも満足できる。
畑がなくてもプランターでも、庭でも、野菜は育てられるし
そんなささやかなところから、「腸活」を始めたら
体も心も、社会も変えて行けそうな気がしてくる。


遺伝子組み換え食品も、大量生産の方法も、いつか来る食糧危機の為と
言い訳をする人がいる。
でも実際は、食料は有り余っていて
量ではなく配分の問題だとも言われている。
ある国で、大量の廃棄食料がある一方、飢餓の国がある。
儲けだけにとらわれていたら、配分はうまくいくはずがない。
いい方法はないものか…。自分たちさえ豊ならいいと思わずに。

そして、最後は心の問題に行きつく。


心理学者チクセントミハイは
現代社会で考えられている「仕事=苦痛」の反証として
イタリア北部の伝統的コミュニティー、ポント・トレンタッス村の事例を挙げている。

「この村の76歳のある老婆の暮らしは、毎朝五時に起き、朝食を作り
家を掃除し、牛の群れを放牧し、果樹園の手入れをし、夕方にはひ孫に物語を語り聞かせ
週に何回かは友人や親せきとパーティをしてアコーディオンを弾くというごくありきたりのものだ。
しかもアルプスの山村生活は厳しく、村人たちは毎日十六時間以上も働いている。
けれども仕事と遊びの時間がほとんど区別されず、家畜も農産物も友だちで
自然ともつながっているために充実した幸せを感じている。

チクセントミハイの言う「フロー」の境地がここに在る気がする。

「マインドフルネス」は特別な状態ではなく
本来、生きるものすべてに備わっている心の状態だと思う。
そしてその、幸福感を足り戻すために
生き方を少し変えてみようと
思わずにはいられなくなる。














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by junecat6 | 2019-05-03 18:57 | | Trackback | Comments(0)